
「仕事では書籍や雑誌、冊子、パンフレットなどの出版・制作に携わる機会が多いですが、このような形で個人的に一冊の絵本を作ったのは初めて。できあがるまでは正直、ドキドキしていたんですよ。
とくに心配したのは発色。全ページにわたる色づかいはこの絵本の見せ所でもありましたから、きれいに色が再現できるかがキーポイントでした。ベタ塗りの部分が擦れたりしないか”とか、発色の難しい色も使っているので“色のトーンが崩れたりしないか”と心配していました。
でも、実際に刷り上がってきたものは、出版物にひけをとらない仕上がり。書籍でさえ色を出すのが難しい赤色もしっかり鮮やかに出していただけました。
また、『おうちくんのかずえほん』では、各ページのスペースを目いっぱい使いたかったので、編集の際には実際の仕上がり線よりも2~3mmはみ出すようイラストを配置(塗り足し)。
ズレたりしないか不安でしたが、編集エディタで確認したとおりのレイアウトが反映されたのでほっとしました。描いていた世界観がそのまま表現できたと大満足。
キタムラさんが培ってこられた信頼の高い写真の印刷技術があるからこそ、このような仕上がりが実現できるのでしょうね」

「おうちくんは2~3年前、息子と粘土で遊んでいるときにできたキャラクター。“いつかこのキャラクターを使って作品を作りたいな”と思い、ずっと温めていました。
ですから、今回、フォト本を通じておうちくんの絵本を作ることができてとてもうれしく思っているんですよ。
おうちくんと同じように今までに描き溜めたイラストで、まだ世に出ていないものがたくさんあるのですが、このように1冊にしてみると想像力が掻き立てられますね。
“次は『おうちくんのかくれんぼ』を作ってみよう”とかね。スタンダードな絵本シリーズという形でおうちくんを生かしていきたいという想いが沸いてきました」
「もっと厚くて重めの仕上がりになると思っていたのですが、実際はコンパクトな印象。
もっとも『おうちくんのかずえほん』は3~4歳の子どもに読ませる絵本として作ったので、子どもの手にも馴染むサイズは理想どおりでしたね。マザーズバッグに入れても邪魔にならない大きさと軽さですし、ほんとうにちょうどいい。マットな紙の質感と柔らかさがとても気持ちよく、帯までついてかなり本格的。
私は絵本という形で作らせていただきましたが、お子様の好きなイラストを集めて塗り絵にしたり、思い出の写真集を作ったりと、フォト本はいろいろな使い道が考えられますから、ぜひご家族の絆を深めるツールとして活用していただきたいですね」

「イラストレーターの業界では、絵本のダミーやアニメーションのイメージボードなど、サンプルを作らなければならない機会が多々あります。
現状、たとえば絵本のダミーを作るときには、プリントアウトしたイラストを1枚ずつ本のような形に貼り合わせていくのですが、それだとやはり手づくり感がぬぐえない。実際の仕上がりからはどうしてもかけ離れてしまうんですよね。さらに結構な手間と時間がかかるものでして…。
そこでフォト本を活用すれば、リアリティを出すことができます。色のイメージやディテールもちゃんと表現できますから、サンプル作りには十分なクオリティなわけで。これをプレゼンの資料として使うことで、作品に込めた思いも伝えやすいですし、説得力が生まれますね。ですからフォト本はクリエイティブの仕事をされている方たちの用途としても、積極的におすすめしていきたいです」